定年後の楽園
書名のつけ方の妙だと思う。
今朝の日経の新書ランキングで8位につけている。
著者は学者で、75歳の方だ。著者の知り合いで、定年後、海外移住した人の様子を記している。
移住先は、フィリピン、マレーシア、ポルトガルである。
パターンとしては、2種類あるようだ。
妻とともに海外移住し、そこで2人で生活する。
もうひとつは、60歳過ぎで、一人で移住し、現地の20歳前後の女性と一緒になる。
前者は、気候の温暖さ、物価の安さ、日本での人付き合いのわずらわしさに嫌気して、などの理由があるようだ。例として登場する人は殆どが海外赴任経験者で、だから海外移住への敷居が低いと言えるかもしれない。
後者のほうは、男性としては羨ましいと感じる反面、大変なことも多いんだろうなと思ってしまう。
海外移住で必要なもの
筆者は、海外移住に必要なものは、3kだという。健康・カネ・カミサン(新しいか古いかは別にして)だという。
健康が大事なのは勿論だが、医療に関し、日本の健康保険に加入したままにしておけば、現地でかかった医療費に付き、日本で保険から還付してもらう方法があると書いてあった。詳しくは判らないが、そういう道があれば、一安心と思われる。
カネは各人さまざまであるが、基本的に、日本の年金をもらい物価の安い国で暮らそうと言うことであるから、日本での生活より豊かな暮らしができることになる。
カミサンは、それこそ各人各様であるが、海外移住に理解のある古いカミサンと一緒に生活するほうが想像はしやすい。紹介されていたケースでは、古いカミサンは移住に絶対反対と言うことで結局離婚し、一人で移住し、移住先で、20歳前後の若いカミサンをもらった人がいる。フィリピンでは、その女性を引き受けるというだけでなく、その女性の一族も引き受けると言う決心をしなければうまくいかないというのが常識のようだ。
言葉は、必要ないという。多分そうだろうと思う。
海外旅行でも、最低限の英語さえ聞き、話せれば用はたる。
仕事をして収入を得ようとするなら、言葉は必須だと思うが、年金収入で生活するのであれば、ごく基本的な会話さえできれば、生活は可能だと思える。
陸マイラーは役に立つ
日本での年金生活については、明るい話はあまり聞かない。一億老後総崩壊と言う言葉もあるようだが、海外移住者は、結構、元気はつらつとしているし、そういう選択肢もあるということで執筆に至ったと言う。
海外移住した人も、たまには日本へ帰ると言う。その際の航空券代がタダになる陸マイラー活動というのは、移住者にとってもメリットがあることになる。
私自身は、海外移住しようとは思わないが、そういう選択肢もあると言うことを頭の中に入れて、海外旅行を楽しみ、いいところがあれば、2~3ヶ月のロングステイにチャレンジしてみてもいいのかなと思う。
海外に行けば、日本の桜が懐かしくなるかも